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お腹や股の痛み

お腹が痛い、股のところが痛い。
ほとんどの皆さんは程度の差こそあれ経験したことのある症状ではないでしょうか?
ほおっておいても自然に治まってしまうような一時的ものも多いのですが、身動きが取れないほど痛くなる、あるいは何度も何度もしつこくぶり返すような生活を脅かすものまで、痛いといってもその種類も原因も千差万別。
やはり症状があったら相談にいらしていただくのが一番です。

原因

原因を見極めるのに重要な判断材料になるポイントは・・・

  • 部位:どこら辺が痛いのか特定できるのか、あちこち痛むのではっきりしないのか?
  • タイミング:ずっと続いているのか、時々何の理由もなしに痛むのか、何かをした時に痛むのか
  • 強さ:不快に感じる程度なのか、激痛なのか
  • 随伴症状:吐き気や下痢・血便、頻尿や残尿感・血尿、腫れ・しこり、ふらつき、発熱などを伴っていないか

泌尿器科で扱う痛みとしては

  • 部位:背中から脇腹、あるいは下腹部から足の付け根、陰嚢・陰茎、股のところ(会陰と言います)
  • タイミング:ずっと続く場合もありますが、飛び飛びに起こることが多く、また排尿や腹圧をかけた際などに痛みが強くなることが多いです。
  • 強さ:重症度によって変わるので不快感から激痛まで
  • 随伴症状:頻尿や残尿感・血尿、陰部の腫れやしこり、時に発熱を伴うことがあります。

こういう痛みを感じたら泌尿器科にいらして検査を受けてください。

お臍の周りが痛いとか、お通じをしたときに痛むとか、下痢や便秘、血便が出たといった場合には泌尿器科ではなく内科か外科で相談していただくのが良いと思います。
また女性には特有の痛みが起こりうるので、例えば生理周期と一致して痛みが起きたり、不正出血を伴ったりする場合は婦人科に相談してみてください。

痛んでいるところに必ずしも原因があるわけではないのですが、大まかには痛みの場所によって原因を推測できます。
どちらか片方に寄って背中から脇腹、下腹部が痛むようであれば片方の腎臓から尿管にかけて感染やおしっこの流れを悪くするような原因(尿路結石や膀胱の変形、腫瘍など)があると推測されます。
下腹あるいは会陰に痛みを感じるようであれば膀胱か前立腺に炎症が起きているのではと疑います。
陰嚢内から足の付け根(鼠径部と言います)に痛みがあれば精子の通り道に炎症が起きていないかと考えます。

別の項目でも述べましたが痛みとは自分の体が起こす反応(炎症)によって放出される物質によって生じるもので、何か不具合が起こっていることを体に気づかせるためにあると考えられています。
ただ、その不具合の原因が多種多様なので定型的な対処方法というものが存在しません。
原因を精査した上で適切な治療を加えるということになるのですが、残念なことにこれだけ医学が発達したと言われる現代でも痛みの原因が全てはっきりさせられるわけではないのです。
原因があればそれを取り除く方針になるのですが、原因がわからなければ対症療法といってとりあえず痛みを軽くする方針が選択されます。

診断

おしっこに関する症状を伴っているあるいは痛むタイミングがおしっこと関係している場合にはまず尿検査をします。
尿検査では尿に本来混ざっていないはずのものが混ざっているかどうかで異常を見つけます。
まず潜血反応陽性(血が混ざっていることが疑われる)であれば結石や感染症、確率は低いですが悪性腫瘍なども疑って、検査を進めます。
白血球反応陽性であれば感染症を疑い、どんな微生物がいるのかを調べます。
細菌や真菌は比較的見つけやすいのですが、ウイルスは難しいことが多いです。
ときに尿蛋白陽性との結果が返ってくることがありますが、潜血反応陽性であれば出血に混ざっているもの可能性が高いので潜血の原因精査を進めます。
潜血陰性で蛋白尿のみの場合は腎臓の機能障害を疑う所見です。
採血などを行い精査を進めますが、痛みの原因にはなりにくい疾患ですのでその旨を説明させていただき、痛みについては別の検査を進めることになります。

画像検査はおしっこの検査とは異なる方向からの検査で、臓器などにいわゆる正常範囲からはみだしているかたちが見られるかで異常の有無を判断する方法です。
超音波検査(いわゆるエコーです)・コンピュータ断層撮影検査(CTです)・核磁気共鳴画像検査(MRIです)がそれぞれ疑った病気に合わせて用いられます。

エコーは安全性が高く、妊婦の方からご高齢の方まで危険性があってお受けいただけないということが一切ありません。
特殊な用途を除き診察室で検査できるという利便性に優れており、また他に薬剤の投与などを行わなくてもおしっこの流れが滞っていないかを確認できるという点も大きなアドバンテージです。
ただし尿路結石について言えば正しく診断できる率が高くないのでレントゲン系の検査を組み合わせることが勧められます。
またエコーの機会を体に当てる位置や角度がわずかでもずれると全く違う画像が出てくるので再現性が低いという欠点があります。

CTはレントゲンの被曝量がそこそこ多いという欠点がありますが、実際にCTで受ける被曝量で体に異常が出る・残るということはありません。もともと地球上で生活している以上自然放射線という形で常時被曝しており、この程度の被曝量の追加が数回起こっても耐性の範囲内で収まります。
CTの利点は検査の速さと解像度、再現性にあります。
特に尿路結石では1mm以上のものについてはほぼ100%に近い正診率を誇っています。
また腎臓がんについては造影剤というレントゲンによく写る薬を点滴しながら撮影するダイナミックCTが診断の基本となります。

MRIはレントゲン被曝はなく、解像度もCTを上回ることがあります。
ただ普及しているものだと撮影に時間がかかり動きの速い臓器には使いにくいという欠点があります。
また体内に金属が入っている(骨折してボルトで止めているとか)方やペースメーカーを入れている方はお受けできないことがあります。
膀胱壁の構造や前立腺内外の状態などを見るのに適しており、膀胱がんや前立腺がんの進行具合を評価する上で欠かせない検査となります。

内視鏡は直接体の中を見ることができるので、色や微細な凹凸の変化によって病変を発見します。
膀胱鏡と尿管鏡がありますがいずれも体へのダメージが少なくない検査ですので、必要性の高い方を絞って行われます。
微細な病変だけではなく大きな変化ももちろん見つけられますが、これらは比較的体へのダメージの少ない検査でも見つけられるものが多いので、必ずしも内視鏡(膀胱鏡)を必要とはしません。
ただ、膀胱癌に関しては内視鏡が確定診断となるので大きな変化が見られる場合でも必ず行われる検査になっています。

治療

治療に関してはそれぞれの疾病の項目をご参照ください。

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