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前立腺がん検診

前立腺がんと診断される方が非常に多くなっています。しかし国立がん研究センターが前立腺がん全体の5年生存率は99.5%であると発表したため、そう簡単には命に関わらないかの様に思われてしまいました。実際、早期に発見され治療(手術や放射線治療)を受ければ完治する確率は8割を超えています。これは無症状の方の中からがんを見つけるがん検診の普及の結果でもあります。

がん検診はがんの種類ごとにスクリーニングの方法が違います。前立腺がんでは採血を行い血液中の前立腺特異抗原(Prostate Specific Antigen: PSA)と呼ばれる物質を測定します。PSAは前立腺だけから血液中に分泌されている物質です。そのほかの臓器から分泌されることがまずありません。そのためPSAの値が変化している場合、前立腺に関係するイベント(がん・炎症など)が起きていることを意味します。

PSAは通常4.0 ng/mlを正常上限とします。といってもこの値を超えたからがんができている、というわけではありません。あくまでも前立腺にがんができていない方のほとんどがこの範囲内に収まっているという意味です。逆にいうと前立腺癌をお持ちの方のほとんどは4.0 ng/ml以上を示す、つまりは4.0以下でもがんができている可能性は完全に否定できるわけではありません。あくまでもさらなる精査が必要かどうかの判断の目安にする値というだけです。

PSAを分泌する前立腺という臓器は精液の一部を作っています。ということは歳と共に使用頻度が下がると考えられます。なので使われなくなった筋肉が衰えて小さくなる様に前立腺も縮んでいきそうな物なのですが、なぜか全男性の半分で大きくなります。 前立腺肥大という言葉を聞いたことがありませんか?年配の男性であればおしっこを出す勢いが悪くなったなと感じることがあると思いますが、その原因の第一番目に来る加齢現象です。

前立腺が大きくなる、ということはPSAの生成量も増える方向になるため、年齢と共にPSAは上昇してきます。ですので50歳の方のPSA 4.0と80歳の方のPSA 4.0では重要性が異なってきます。さらに期待余命(後どのくらい寿命があるだろう?)を考えると重要性の違いはますます大きくなります。いまのあなたにとってこのPSAの値にはどんな意味があるのかを泌尿器科医に解釈してもらってください。患者さん一人ひとりに合わせた回答がきっと返ってくると思います。

横浜市が主体となって医師会へ委託し、医師会に所属する医師が従事する医療機関でがん検診が行われています。医療機関によってどのがんの検診を引き受けているのかはさまざまですが、当クリニックではその中の前立腺がん検診をおこなっています。

横浜市のがん検診のHP

対象者

横浜市内に住所を有する50歳以上の男性です。その年度内に50歳になる方(これをみている段階では49歳)も対象になります。
ただし検診を受ける時点で前立腺疾患の治療中の方は対象になりません。

負担額

1000円で受けられます。
ただし後期高齢者医療被保険者証をお持ちの方や70~74歳の方(その年度内に70歳になる方も)などは、年度内(その年の4月1日から翌年の3月31日まで)に1回までは無料でお受けいただくことができます。窓口で相談してみてください。

方法

採血で血液中のPSAを測定します。事前の準備は必要ありません。

結果の通知

結果が出るまでに2週間程度かかります。
結果については直接ご来院いただくか、郵送でお送りするかをご選択いただけます。
郵送の場合、郵送前に医師より電話で結果についての説明が行われます。

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