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骨盤底筋体操

昔話をしましょう。いまは日○テレビに移籍されたアナウンサーの有○さんが、まだN○Kの朝の情報番組を担当されていた頃のお話です。
以前の様なお堅いばかりのイメージではなくなっていましたがNH○といえばやはり取り上げる題材はお子様からお年寄りまで誰が見ても楽しめる(特に朝の連続TV小説の直後などは)路線だと思われていました。
ところが○働さんは朝からいきなり「膣トレ」を話題としたことで驚かれました。
ご記憶の方もおられるかもしれませんが、この「膣トレ」こそまさに骨盤底筋体操です。

そもそも骨盤底筋、いや骨盤とは何か?というところから話を始めると、骨盤とは図のように仙骨・尾骨・かん骨・恥骨・ざ骨からなる骨の壁です。
この中に骨盤内臓器と呼ばれる膀胱・直腸・女性の場合は子宮や卵巣が入っています。
ところで図を見て気づいたでしょうか?
この骨の壁、底が抜けていると。そうです、骨盤の底には骨がないんです!

本当に何もなければ内臓が落っこちますので、流石に底はあります。
ただそれが頑丈な骨ではなく、筋肉の一枚板、正確に言えばいくつもの筋肉が複雑に絡み合って1枚の板状になって張り付いている状態なのです。

この1枚板の前半部分を尿生殖筋群、後ろ半分を肛門筋群とよび、尿道括約筋が入っているのは当然尿生殖筋群です。
尿道括約筋は、膀胱に近いというより膀胱を収縮させる筋肉と繋がっている内尿道括約筋という不随意筋(自分の意志では動かせない筋肉)と、それよりも外側にある外尿道括約筋という随意筋(自由に動かすことが可能な筋肉)の2つ存在しています。
ややこしいことに自由に動かせる外尿道括約筋ではなく、自分の意思では動かせない内尿道括約筋がおしっこのメインバルブなんです。
もちろん外尿道括約筋も尿道を締めることはできるのですが、ずっと筋肉に力を入れ続けることって難しいですよね?
尿道は常に閉まっていないとおしっこが漏れてしまうので、バルブは常時「閉」にしておく必要があります。
ですので持続的に尿道を締めておくためには意志とは関係なく自律して尿道を締め続けられる内尿道括約筋が重要になるのです。
でも自由に動かせない筋肉を鍛えることなんて本当にできるんでしょうか?

答えは一応「できる」です。
骨盤底筋体操は主に女性の尿失禁に対して効果を示すという報告は数多あるので信頼はできるとおもいます。
ただ問題があって、方法論がきっちりと定まっていないのです。
どの報告もトレーニングの方法や回数などの設定が自由で統一性がないのです。
考えるに、随意筋である骨格筋のトレーニングでは意識的に筋肉を伸ばしたり縮めたりして筋肉の量を増やしたり筋力を上げたりするのですが、内尿道括約筋の様な不随意筋ではその様な動きはできません。
外尿道括約筋などの骨盤底筋を動かすことで付随的に動かすことはできるのですが、どのくらい内と外が連動してくれるのかわかりません。
バーベルを持って鍛えるという問題でもない(たしか「膣トレ」には膣に重りを入れて保持するというなかなかすごいトレーニングがあった気がしますがそれで鍛えられるのはあくまでも随意筋の部分です)ので、だんだん挙げられる重さが上がってきた!というようなわかりやすい結果がでません。
そう考えると今後もなかなか方法論の統一化はできないかもしれませんね。

それでも大雑把にまとめるならば、多くの論文で取り上げられているのは素早い動きと持続的な動きの両方を行うという方法です。

  1. お尻の穴や膣を閉めることを意識しながら、なるべく早くきゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっと繰り返していただく
  2. お尻の穴や膣をぎゅうっっっと締め続けていただく

この2種類の動きを組み合わせて、1日に何度も繰り返し行なっていただきます。
キリがいいところでわたしは①10回・②10秒のセットをお薦めしています。
そうそう簡単に効果が実感できるものではないので、多くの場合面倒臭くなっていつしか忘れ去られてしまうことが多いのですが、持続できる様なら加齢による劣化を遅らせる可能性があります。
立っていても(例えば電車の中とか)、座っていても(オフィスで仕事中でも)、ねっころがっていても(家のソファでテレビを見ている最中でも)どんなポーズでもできるので皆さんも是非試してください。

ただ一度にあまり回数をこなすと後でかなり尻周りがキツくなるので程々でお願いします。

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